先日行った外猫たちの避妊手術、約30頭。
その中の一匹は、別のヘルプ通報で出会った子でした。
子猫を連れて現れたその美しいお母さんは、半年前は子猫。
初めての出産でしょう。
安全な場所を求めてさまよっていたのか、見つけたのはMさんご家族。
交通量も多く、心配しながらも無事に育ったら里親さんを・・・などと考えていた矢先・・・
いつにもましてびくびくする姿に違和感を覚えてよく見ると、
首から一本の針金が長~く伸びてる!!
どうやらその針金は、首にしっかり巻き付き、その先端が外に向かって30㎝ほど飛び出している状態💦
『くくりワナ』です!!
おそらくお手製の・・・
驚いたMさん、ご近所さんと相談して連絡をくださいました!
手負いの猫のワナを外すには、麻酔で落ち着かせるしかない
子猫たちは離乳後期と判断し、ワナの取り外しと避妊手術を同時に行うことにしました。
手負いの彼女は捕獲器に簡単に入りません。
祈るような気持ちで粘り強くチャレンジ。
ようやく保護ができて数日、手術の日を待ちます。
その間心配なのは残された子猫たち。
外にご飯を置くものの、食べに来ているかどうか定かでない状況に気をもみながら、手術の日を迎えました。
母猫の首に食い込んでいたのは、見た目よりずっと頑丈で硬い針金。
さぞかしつらかったことでしょう。
専用の道具で切断、同時に不妊手術を実施しました。
’
母の後を懸命について歩く子猫とかばう母。
その姿を見て、これを作れる心情とはいかなるものでしょうか?
”駆除”
のつもりでしょうか?
捕獲が許されている野生動物に関しても、ワナは登録が必要です。
まして、猫は愛護動物としてその存在を認知、保護されており、駆除対象では断じてありません。
ワナを仕掛けることは違法です。
ただ、法律を持ち出すまでもなく、人のみに都合よく変えられた社会で懸命に生きる他の生命を、このような方法で排除するのは、卑怯以外の何物でもありません。
・増えて困るなら、避妊手術をしましょう。
・ゴミあさりが嫌なら、食料を与え管理しましょう。
・糞尿被害があるなら、トイレを設置しましょう。
・入り込みが迷惑なら、安全な居場所を作りましょう。
いうまでもなく、この世は人だけのものではありません。
敷地も勝手に人が線を引いているに過ぎない、人間社会のみに通じる勝手なルールです。
「迷惑」
の意識は、激しい主張を伴いやすいものです。
そして、調和を重んじる日本社会は、「迷惑」の言葉は何にも代えがたい力を持ち、その前に反論をするのは難しい精神状態になります。
冷静に考えてください。
「迷惑」と思う人と同じだけ「大切」に思っている人もいることを。
そして、その中間層が主張の激しい方に流れやすく、同調圧力を生むことを。
いずれにしても、ワナにかかった母猫がどのように衰弱していくかを製作者は想像できているのでしょうか?
出来ていてなおかつ実行しているのでしょうか?
そのような人が地域社会に存在すること・・・
今回心配してくださった方々、安心してその地域で過ごすことができるでしょうか?
残念ながら現在、子猫の姿は確認できなくなってしまいました。
おかあニャンは何とか信頼を取り戻せたら、保護したいと近隣の方が頑張っておられます。
まだまだ後を絶たないワナ事件。
いつになったら”野蛮”な国から卒業できるのでしょう・・・
一日も早く、成熟した社会が訪れることを願ってやみません!