トイプードル、と言っても7キロはある彼がやってきたとき、
初預かりのご協力者さんはとても楽しみにしていました。
でも、彼は、大変な咬みつきっ子になっていたんです。
飼い主さんの急な事情で、ここ1ヶ月、彼はたくさんの人の出入りや、初めての外暮らし、頼りの飼い主さんに会えない不安・・・そして、移動。
それまで思いっきり甘えん坊に育っていた彼にはとてもショックだったでしょう。
一般家庭では手に負えない状態になっていました。
急遽私たちの姉妹団体、NPO法人サンタの家さんに相談。
そこには、咬みつきをゼロ訓練できる訓練士がいるからです。
ゼロ訓練とは、マイナススタートの子のストレスを抜いてゼロに戻す訓練です。
通常の訓練は、ゼロや、能力のある子をよりスキルアップ、プラスにさせるもの。
でも、人との信頼関係が崩れてしまっている子は、まず、通常の状況まで戻さなければなりません。
扱いにくいからと言って、いきなり普通の訓練をすれば、余計に悪化してしまうのは目に見えていますよね。
200キロの道のりを耐え、訓練士さんに会った途端、なんと彼は、抱っこも手をつなぐことも、一緒にかけっこすることもできました(^_-)-☆
いつものこととは言え今回も、魔法でも見ている気分でしたよ💛
実は彼、移動販売業者からの購入。
最後まで残っているのを安く手に入れた・・・
移動販売の恐ろしさは、アフターサービスが得られないこと。
相談の安心感がない。
生き物はそれまでの成育歴などたくさんの情報を引き継ぐ必要があります。
地元に根付いていない業者の場合、売りっぱなしになることがほとんど。
購入者さんも・・・だって安かったから仕方ない・・・とあきらめてしまいます。
日本では、動物たちは、飼い主の“モノ”扱い。
飼い主に何かあれば、ほかの物と一緒にボツ、守られない!
温かく迎えてくれるところなど、よほど運がなければ出会えません!
欧米のように公的なシェルターがない以上、それは必然です。
たらいまわしの末、不安がいっぱいの彼らの心は壊れてしまうことが少なくありません。
愛護団体がいくら頑張ろうと、病気があったり、性格が壊れてしまった犬猫を迎えてくれる里親さんがいない以上、すぐに満杯になってしまいます。
ゼロ訓練の必要性、お判りいただけますよね?
残念なことに、ほとんどの訓練所はプラス訓練、ゼロ訓練ができるところは少ないんです。
安価で手に入れることを悪いとは言いません。
ただし、最初が安くても、その後20年近くの生涯にかかる費用や手間は変わりません!
安い子だからと言って、一生安く過ごせるわけないですね?
安いごはん、適当な居場所、避妊もしない、医療もかけない・・・病気のリスクも高いです。
それは家族ですか?
そんな扱いのために手に入れるのでしょうか?
動物がモノであるこの国で、守れるのは飼い主さんだけです。
迎えた子の命は、たとえ自身に何があっても守る、それが生き物を迎えるということですね!
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改名:ジェイク
今回、飼い主さんのお知り合いが動いてくださったおかげで、ゼロ訓練につなげることができました。
その出会いがなければ、誰も迎えられない荒れた彼は、殺処分しかなかったでしょう。
いつも言いますが、殺処分は保健所のせいではありません。
それしかない状況に陥らせないことが重要なんです。
ジェイクはゼロ訓練を受けて、育ち直します!
これは、たくさんの人の協力でつながった奇跡です(^^)/
今度こそ幸せになろうね!!