少しずつ知られてきた猫のTNR
T(捕獲する)➡ N(不妊手術)➡ R(元の場所に戻す)
「自然の摂理に反して、強制的に手術なんて間違ってる!」
そんなご意見もあります。
本当にその通りだと思います。
でも、そうしなければもっとひどい状況になってしまう・・・
みんなが悩んだ挙句、これが今できる最も効果的な方法である、という結論なんですよね。
猫は、人と同じような体の仕組みを持ち、痛みも恐怖も感じる生き物です。
そして何より、寒さに弱く、個体は本当に脆弱。
だからこそ、手術を行う以上、最大限の配慮をすべき、ですね!
猫にとって、縄張りはとても大切。
だから、早く元の場所に戻したほうがいい。
そういう考えもあります。
ただし、手術後すぐに戻す方法ならば、体力が落ちやすい真夏や、体温を維持できない真冬は行いません。
真夏、真冬に行う場合は、体調が整うまで管理するのが当然でしょう。
<手術の注意点>
*手術(麻酔)に耐えられる体調か事前にある程度確認する。
*前日の夜の食事後ご飯を抜く、当日早朝から水も抜く
*術後は麻酔の影響で低体温になるので、当日は保温管理を行う。
(特にメスは、お腹の毛をそっているので、消化器が冷え体調を崩しやすい)
*排泄、食欲がしっかり戻っているかを確認して、戻す。
尊厳を大切にするなら、これくらいの配慮は当然ですね!
3月5日に行った20頭超えの手術では、
おびただしい血尿の子が2匹💦
ひどい風症状が8匹💦
極度の脱水と栄養失調の子
背中の化膿した傷が破裂して出血している子
とにかくひどい状況でした。
すべて、事前にあずかっていたからこそ分かったこと。
手術を断念した子もいます。
もし、事前預かりをせずに手術に向かったら、数頭は確実に亡くなったでしょう。
手術後は、風邪の子たちは投薬を、症状の重い子は病院へ。
そして、返しても管理者のいない重篤な子は、メンバーが引き取りました。
しかも、返してもらっては困る!という地域も。
少しでも改善しようと頑張っておられる依頼者さん。
なのに、心無い誹謗中傷・・・。
戻ってきたら川に捨てる・・・という言葉!
なんと恐ろしいことでしょう・・・地域は、人だけのものではないのに
もふっこひだの活動は、里親さんにつながってこそ。
でも、ハンデのある子が増えると、それが難しい。
シーズン前からすでに、メンバー宅あふれかえってる💦
<とにかく>
TNRは、手術をすればいいというものではありません。
勝手に捕まえ、体にメスを入れ・・・
それは、最大限の配慮と尊厳を傷つけないような気持がなければ、やってはいけないことです!!
ポピュラーになったからこそおろそかになりがちな、大切なこと。
多くの方の理解と、慈しみの目をお願いします!
次回は4月2日(土曜)
頑張りますね💛